ご挨拶

細胞診専門医会 会長 森谷卓也(川崎医科大学)

2025年度より細胞診専門医会の会長を拝命いたしました、川崎医科大学の森谷卓也(もりや たくや)です。2年間の任期の間、誠心誠意、職務に取り組んでまいります。会員の皆様をはじめ、関係各位のご指導とご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

本会は、細胞診断の実務に従事する医師、歯科医師、技師の教育・指導を主たる目的とし、活動を行っております。その実現に向けて、日本臨床細胞学会および細胞検査士会との連携を一層強固にし、共に発展的な事業を推進してまいります。

細胞診指導医会として発足した本会は、幾多の変遷を経て現在の姿へと進化を遂げてまいりました。その歴史と、礎を築いてこられた諸先生方のご尽力につきましては、ぜひ当会ホームページの該当ページをご覧いただければ幸いです(https://jscc.or.jp/senmon-i/about/history.html)。

現在、日本専門医機構による新専門医制度のもと、19の基本領域が定められております。細胞診専門医はサブスペシャリティ領域に位置づけられていますが、今後、機構認定と学会認定の専門医制度が併存する可能性があり、制度の変動によって本専門医の立ち位置に不確定要素が残されているのが現状です。こうした動向を注視しつつも、我々は軸足をぶらすことなく、揺るぎない目的達成に向けて着実な活動を続けてまいります。

細胞診専門医の基本領域は、病理、産婦人科、外科、泌尿器科、内科など多岐にわたります。さらに、細胞診専門歯科医の会員もおられ、多彩なバックグラウンドを有する医師・歯科医の集まりである点は、他に類を見ない本会ならではの特長です。この多様性こそが我々の強みであり、「臨床細胞学」という共通基盤のもと、幅広い視点による学術活動および社会活動の展開が可能です。

本会のあり方については不断の議論を重ね、時代の要請に応える柔軟かつ意義ある活動を目指してまいります。集会の開催、会報の発行、細胞検査士との協働実態の調査などを通じて、細胞診断学の普及、ならびに細胞診専門医および細胞検査士の社会的地位向上を図り、高品質な医療の実現に貢献できるよう全力を尽くしてまいります。