ご挨拶

公益社団法人 日本臨床細胞学会細胞診専門医会会長就任にあたって
細胞診専門医会会長 土屋 眞一

 平成27年度から28年度までの2年間、覚道健一前会長の後を受けて細胞診専門医会会長を拝命いたしました。

 元専門医会長の柏村正道先生の記録によると、専門医会の歴史は昭和43年に第1回の専門医会(その当時は指導医会と呼称)が広島で開かれたのが最初で、初代の代表世話人には天神美夫先生が就任されています。
昭和53年より代表世話人は会長と名称を変え、初代会長の天神美夫先生から、野田起一郎、栗原操寿、信田重光、杉森 甫、野澤志朗、長谷川壽彦、平井康夫、柏村正道、覚道健一各先生が会長を勤められ、私が11代目の会長となります。
現在、専門医の数は実数約2,700名(認定約3,200名)を超える大きな組織となっています。
細胞学会の法人格取得は蔵本博行理事長在任時の平成15年で、その時NPO法人が設立され、さらに平成25年には念願の公益社団法人化が佐々木 寛理事長の任期中に内閣府から認可を受けています。
NPO法人設立時の会長は長谷川壽彦先生、公益社団法人では覚道健一先生ですので、法人化からの専門医会長は私を含めて5人となります。特に公益社団法人後は、それ以前、細胞診断学推進協会に細胞検査士会とともに所属していた専門医会は理事長直轄組織としての活動が始まっています。

 この歴史ある細胞診専門医会は「細胞診断実務に関する医師、歯科医師並びに技師の教育・指導に当たること」を目的とし、会長の下に総務、庶務、生涯教育担当、会計、あり方委員会、会報編集委員会が設けられています。
細胞診専門医の位置づけは「がんの予防および治療に必要とされる細胞診についての専門的な知識、技術、態度を身に付け、自らが行う臨床実務のみならず、精度管理や細胞検査士等の指導・育成など幅広い活動を通じて国民の福祉に貢献する医師」と規定されています。

 日本臨床細胞学会は昭和36年に発足した婦人科細胞診談話会にそのほかの領域が加わって発展的に組織作りがなされてきましたが、現在では専門医・細胞検査士を入れて総勢10,000人を越す大きな学術団体となっています。
その中で専門医会の目指す取り組みは専門医の研修、資格認定・更新を通じて社会貢献の出来る優れた専門医を輩出することであります。
専門医認定・更新に関しては平成24年に日本専門医制評価・認定機構を前身とした日本専門医機構の発足によって、基本領域専門医19学会とsub-speciality領域専門医29学会が既に認定されています。引き続き、今後認定を検討されている未承認領域専門医36学会が提示されていますが、日本臨床細胞学会はその認定予定学会の筆頭に挙げられています。
細胞診専門医を目指す医師の修練、教育、教育研修指導医の認定・資格更新、専門医教育カルキュラムの整備を骨子とした研修プログラムの策定等、ここに至る過程には佐々木前理事長はじめ細胞診専門医委員会委員長の植田政嗣先生の多大なるご努力・ご尽力なくしては、きわめて厳しいとされる日本専門医機構の整備指針に到達することは難しかったのではないかと考えており、専門医会を代表してお礼申し上げる次第です。
われわれ細胞診専門医には資格更新が義務づけられていますが、日本専門医機構の指針では5年ごとに、診療実績の証明、専門医共通講習、診療領域別講習、学術集塊での発表・司会・論文執筆等によって合計50単位の取得が必要とされています。
特に領域専門医委員会で認定した講習会に出席し学習することが求められており、専門医は最新の知見・技能を身に付けることが重要で、いわゆる「生涯学習」が非常に重んじられた審査基準となっています。
来る平成29年度に新しい専門医制度が始まり、最短ではその3年後の平成32年度に、新制度の専門研修を受けた専門医が誕生します。これ以降、機構が定める新基準を満たした場合のみ更新可能となり、平成36年度より新旧全ての専門医が新制度に移行することが想定されています。

 専門医会では機構の路線に適合した研修、認定、資格更新制度とするための実践的対応が求められてまいります。細胞診専門医委員会、専門医あり方委員会、施設認定制度委員会、教育委員会等と密に連携を取りながら、この2年間で新たな専門医制度の構築をサポートするつもりです。専門医の先生方のご協力をお願いするとともに、ご意見を各種委員会あるいは専門医会ホームページを通じて是非お寄せいただきたいと思います。