細胞診専門医会 会長 青木大輔
2021年度より細胞診専門医会長を拝命し、この度、再選していただきました。これからの2年間も、職務を全うするため尽力する所存です。
本会は、細胞診を通じて国民の皆様の健康増進を図る細胞診専門医の集団です、とHPにも記されています。そして細胞診専門医は、
1.細胞診断実務に関する医師、歯科医師、並びに技師の教育・指導
2.細胞診断学の普及
3.細胞診専門医並びに検査士の社会的地位向上のための事業
をおこなう、とあります。これらを丁寧に踏襲していこうと考えます。
ここ数年来、当専門医会では日本専門医機構認定専門医制度への対応のため、植田政嗣前会長のもと、さまざまな角度から体制整備をして参りました。日本専門医機構の方向性が二転三転した結果、今後は機構認定の専門医制度と学会認定の専門医制度とが併存していく状況が想定され、本専門医会は後者への所属が想定されています。いずれに所属することになろうとも、本専門医会は既に教育システムや資格認定・更新の体制など、公共に益する専門医集団として透明性を持った充実した体制を構築するに至っておりますので、案ずることはもはやありません。植田前会長、会員の皆さまのご尽力・ご協力に感謝しております。
さて、土台を整備してきた本専門医会が次に取り組む課題として、「診断を専らとする者と臨床現場との繋がりを持つ者、両者の特性を活用すること」を取り上げたいと思います。両者を包み持つ集団であることが、当専門医会の強みと考えます。実際には両者に跨る任を担うものも少なからず存在してシームレスであり、二分するものではありませんが、診断的側面と臨床での解釈・活用と臨床現場の細胞診断学的意思決定のそれぞれに、両者それぞれの能力を果たしていただけるよう、項目立てて取り組んでいきたいと思います。その中には、細胞診断学関連知識の、細胞診を専門としない者への普及や教育・指導を入れ込み、質の高い細胞診の検体採取、判定、患者や国民への還元を実現したい、とも考えております。そしてそれらの活動は、細胞診専門医・細胞検査士、そして細胞診自体の社会的認識の向上につながることを期待します。
これらの実現には会員の皆さまのご協力が不可欠であることは言うまでもありません。皆さまと共に、細胞診断学の専門医集団としての誇りをもって取り組んでいきたいと思います。